2017年04月07日
LGBT・セクシャルマイノリティの方の相続と遺言
LGBT・セクシャルマイノリティの方の任意後見契約
2017年04月06日
LGBTパートナーシップ合意書
2017年04月02日
円満離婚のプロセス、そしてそのゴールとは?
そしてそのゴールは…?
円満離婚までのプロセスは次のとおりです。
@不安・葛藤期
夫婦をしていると、日常のストレスが薄紙のように重なって、いつしか辞典のような厚さになってしまい、重くのしかかり、とにかく早く身軽になりたい、楽になりたいと思い、葛藤を重ね、その結果としての選択肢が離婚なのではないかと、相談者の方から伺っているお話、そして自分の経験からしてもそう思います。
もう我慢できない、相手が憎い、悔しい、悲しいといった負の感情を、長い長い期間葛藤し、マックスになって離婚を切り出すという場合、感情が先立ち、話し合いをしても、ただ、感情がぶつかり合うだけのケンカで終わってしまうという事になりかねません。そして、もっと深い争いになってしまった場合、負の感情の行き先が、親権、養育費、財産分与、慰謝料などの離婚条件に反映する可能性があります。
それは例えば、高額な慰謝料を請求するとか、親権は絶対渡さない、養育費は払わない、子どもに会わせない、などの考え方です。また今後の経済的な不安も要因としてあるものと思います。
A感情支配期
高額な慰謝料など払えないのはお互いに十分に知っています。
子どもはサポート体制がないので引き取れない、子どものためには養育費を払いたい、子どもが会いたいと言っている、などが本当の気持ちであったり、現実的な事情だったりします。
ではなぜ、現実的でない要求をするのかというと、感情が支配しているからだと思います。
また、全く別の視点からですが、そもそも男性の脳と女性の脳は、しくみが違うようです。男性は理屈、事柄、理論で物事を判断して、女性は感情、直観、感覚などで判断すると言われています。
ですから、幸せな時は問題にならなかったことでも、問題が発生したときはその違いが顕著に表れ、男性は具体的な言葉、事柄で理論的にそれを理解しますが、女性は感情や感覚で主に理解するので、同じ問題に対してそれぞれ理解するところが違うために、チャンネルが合わずに、話をしてもかみ合わないのではないかと考えられています。
何が問題なのかがいつまでもお互いの共通理解に至らず、確執が増幅され、離婚問題がどんどん激化して、とうとう調停、あるいは裁判となってとことん争ってしまえば、仮に離婚が成立したとしても、相手に対するおさまらない気持ちがあるとすれば、養育費を払わない、子どもにも会わせたくない、相手と関わりたくない、相手に協力したくないという事になりかねません。
厚生労働省の統計では、養育費の取り決めをしている割合は19.7%(2011年度)です。
そして、面会交流が円滑に実施できている親子のほうが、養育費の滞りも少ないという明らかな統計結果が出ています。
このことから、夫婦の対立がそのまま子どもに影響してしまうということが言えると思います。
そうならないために、感情が激化する前の出来るだけ早い段階において、感情処理が必要なのです。
B法的問題の整理
感情処理と同時に、夫婦の間でおこっている、法的問題の整理も必要です。
まさに問題の渦中煮るときは、大きな袋の中に、さまざまな感情と法的な問題が入り混じっているような状態だと思います。
ですので、早い段階において、感情の部分のケアと同時に、法的な問題を抽出して、今起こっている問題を整理するための交通整理が重要なことかと思います。
一度、問題の交通整理をしておけば、弁護士相談や、市役所、その他の相談のときには、問題点を的確に伝えることが出来、そのための的確なアドバイスももらえると思います。
当事務所では、相談者の方の感情処理のお手伝いと、法的な問題の交通整理をしていますが、相談者から「自分では気づいていなかったけどこういうことだったんですね」と言われることがたびたびあります。
問題の渦中にいると、自分の置かれている問題がどんなことなのか気づかないことがよくあります。
何が問題となっているかを整理し、理解し、そのための解決方法の選択肢を知っておくのはとても大切です。
C情報収集期
離婚問題において、法的問題について交通整理が進んだら、次の段階として、情報の収集です。
この段階では、法律専門家への相談は不可欠だと考えます。
養育費、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割は、離婚に伴う問題ですから、これらの問題について、正しい情報を持っておくことは、今後の話し合いにおいて大切なことです。
例えば、相手方から、「親権は働いていないととれない」「養育費は〇〇円だ」「面会は〇〇だ」などという主張されたとしても必ずしもそのおとりに応じなくても良いのです。必要なのは話し合いです。
そのためにも、正しい情報を収集しておく必要があります。
D有効な話し合い
感情処理と法的な問題について理解、整理、情報収集が進めば、冷静で有効な話し合いが出来るものと思います。
例えば、負の感情が整理されていれば、その分余裕をもち冷静に考えられるので、少なくとも高額な慰謝料を請求するなどのことは考えづらく、子どもの養育費も払うように考えたい、子どもにも会わせてあげたいなどの、現実的な観点で、本来の気持ちを伝えやすいのではないでしょうか。
そこで、感情が激化しているとき離婚と、そうでないときの離婚には、大きな差があることがお分かりになるかと思います。
特に子どもに対する影響は多大です。
例えば、冷静に話し合いが出来て離婚をする場合、非監護親(離れて暮らす親)が、いつでも子どもに会えたら、子どもは離婚のストレスが軽減されると思います。
親同士は離婚して他人になったとしても親子の縁は切れません。
お互いに親子は扶養義務がありますし、相続人です。
切っても切れないのが親子の関係ですから、いつでも子どもが困ったときには非監護親に相談できる関係が構築できれば、理想だと思います。
非監護親との関係が良好であれば、子の生活に伴う諸費用、学習塾、進学などでお金が多額にかかっても、非監護親にお願いが出来、スムーズに協力してもらえたら、今問題になっている子どもの貧困、今二人に一人が借りている奨学金問題は回避できるかもしれません。奨学金は借入ですから、社会に出ると同時に子ども自身が何百万も背負うものです。
そして、母子家庭の貧困率は5割を越え、就労による収入は平均181万円です。5割以上が非正規で働いています。お母さんは掛け持ちで仕事をしていることも少なくないと言われています。
こういった統計から、親の離婚が円満か不和かによって、監護親と子どもの生活に影響が及ぶ可能性があると指摘されています。
E第三者の活用
一方当事者だけが、上記の段階を踏んで、有効な話し合いが出来る体制になったとしても、相手方は必ずしもそうではありません。
相手方は、最初の段階の@不安・葛藤期、あるいはA感情支配期のところに、気持ちがあるかもしれません。
そういった場合には、第三者の存在を活用することは有効ではないかと思います。第三者がいれば、外向きの顔になりますから、少なくとも感情は抑えられることが期待されます。
また、必要な情報提供をすることで、客観的に物事を捉えることも出来るかもしれません。
よく、第三者として話し合いの立会をさせていただく機会がありますが、お互いに本当の気持ちが理解しあえていないという印象を受けます。その理由は、抑えられない負の感情が優先されるからです。
争いの渦中においては、法的な問題についても、お互いの気持ちに対しても、共通理解がされていないので、それがさまざまな葛藤を生んでいくものと考えられます。
そこで、第三者の活用になるのですが、その役割は、夫婦という密室の関係に風穴をあけて、外の風をいれ、そのことによって起きている問題について客観的に見て判断が出来るよう促すことが出来るのではないかと思います。
あるいは夫婦別々に受ける個別のカウンセリングも有効ではないかと思います。個別のカウンセリングもある意味第三者の存在になります。
F円満離婚へ
お互いの離婚に対する、不安、葛藤、感情、経済的な問題について、有効な話し合いがなされ、その結果離婚が合意となったら協議離婚が成立します。
円満離婚のそのゴールは、ケースごとに違うかもしれませんが、基本的な土台として必要な、子どもとの親子関係を通じ、親同士がお互いの足らないところを補い合えるような関係性の構築ということでしょうか。
土台がしっかり組まれていれば、その先はデザインできるものと思います。
元家族が円満な関係性があれば、10年、20年後、子ども達が結婚しても、お互いに行き来できる関係が作れるかもしれません。
子どもは親の離婚を見て、何か問題が起きたときには、確執を生まずに問題を解決できることを学ぶかもしれません。
また、離婚後の相手方の人間性について重大な問題があるとしても、離婚後は、親同士の問題ではなく、親子の問題なのではないでしょうか。
そういった、問題に子どもが向かい合うという機会を、前向き捉えると、それが子どもの経験となり、子どもの選択になるかと思います。
まずは、離婚問題において、今の自分はどの段階にあるのかを知り、何が必要なのか、まずはそれを知ることが大切です。
本当にさまざまな問題をはらみ大変ですが、前向きな選択ができますように。
当事務所では、自分が今どの段階にいて、何が必要なのかを知るためのお手伝い、感情処理、法的問題の交通整理、第三者としての活用、話し合いの第三者として、お話を賜っています。
ちなみに…
近い将来、諸外国にならい日本も共同親権となるかもしれません。
そのことに伴い「共同養育」という考え方も生まれています。
共同養育とは、夫婦が離婚をしても、お互いに協力しあって子どもの養育に係るという考え方です。
子どもが本来受けることが出来る両親からの愛情や利益を、離婚をしても可能な限り損なわないよう考えられたのが共同養育という形態です。
共同養育の内容は、希望に沿って内容を決めますので、ケースごとに違います。お子さんにも参加していただき、お子さんの希望を反映することも出来ます。
協同養育をご希望の方には、当職がご希望を伺って『協同養育計画書(協議書)』のプランを作成してご提案させていただきます。
共同養育について聞いてみたい、という方はどうぞお気軽にお問合せ下さい。
一般的には、「共同養育」という表現ですが、当事務所では「協同養育」という表現をしたいと考えています。その理由は、「協同」とは共に心と力を合わせて物事を行う意味があるからです。
協同養育計画書(協議書)の作成費用については、38,000円から賜っています。内容によっては少し追加(5,000円から)をお願いする場合もありますが、ご依頼主様とご相談させていただきながら、料金は設定させていただきます。
お支払も分割で大丈夫です。ご負担のない形で考えていますので、その点についてもお問合せいただければと思います。
お気軽にお問合せ下さい。
2017年03月25日
協同養育という考え方
※当職は、すべてのケースにおいて、協同養育を提案したり、推進したりすることはありません。あくまで考え方の一つです。
離婚や別居の際に、お子さまのことが一番の懸念になろうかと思います。
離婚の際は親権者を決めなければなりませんので、離婚は同意していても、親権者争いのために、調停、裁判という何年にもわたって争うケースもあります。
また、片方の親が子を連れて家を出て、別居中の監護者を争っていくケースもあります。
離婚時の親権者の判断、別居中の監護者の指定について、最近の判例ではどのような傾向になっているかというと、
最近の動向として、フレンドリーペアレントルール(離婚に際して同居親 (監護親)を決定する際の判断となる基準)を採用し、千葉家裁松戸支部が父親(非監護親)に親権を認めた画期的な判決が出ました。
しかし、その後の二審東京高裁では逆転で母親(同居親)に親権を認めましたのですが、先述のフレンドリーペアレントルールが採用された判決が出たことによって、今後、親権を定める判断基準としてフレンドリーペアレントルールが重要視される方向になるのではないかと言われています。
ここで少し「フレンドリー・ペアレントルール」のことを説明させていただきます。
日本では、今のところ明示的な指針はないのですが、明文規定を置くカリフォルニア州では、
・子の最善の利益を判断するにあたり、「両方の親との接触の態様及び程度」が考慮されるべき
・単独監護を選ぶ場合には、「どちらの親がより頻回かつ継続的な接触を非監護親に許すか」を裁判所は判断しなければならないとしています。
つまり、
・子どもの面会交流に協力して実施できるか。
・子どもが面会交流に消極的な場合に、監護親が、非監護親との面会交流を子どもに積極的に働きかけることが出来るか等、親同士のいさかいを排除して、「子のために相手と協力できるかどうか」ということが重要視される考え方です。
ちなみに、日本以外の全ての先進国では離婚後も両親が共に親権を持つ共同親権制度です。近い将来日本も共同親権制度になるかもしれません。
現状日本では、離婚をしたら、単独親権ですから、非監護親は、月に1回程度、つまり限られた時間に「たまに子どもに会うだけ」という取決めがほとんどと言っても良いのではないかと思います。
単独親権となった場合に、問題なのが『貧困率』です。
母子家庭の貧困率は5割を越え、就労による収入は平均181万円です。5割以上が非正規で働いています。お母さんは掛け持ちで仕事をしていることも少なくないと言われています。
そこで、養育費をもらっているかもらっていないかで、大きな差があります。
厚生労働省の統計では、養育費の取り決めをしている割合は19.7%(2011年度)です。
そして、面会交流が円滑に実施できている親子のほうが、養育費の滞りも少ないというあきらかな統計結果が出ています。
これらのことから、離婚をしても子の健全な育成と幸せのために、親は出来るだけ感情を排除して、協同養育という視点でのかかわりが大切なのではないかと考えています。
離婚をしても、非監護親の協力体制があれば、子の生活に伴う諸費用、学習塾、進学などでお金が多額にかかっても、非監護親にお願い出来、スムーズに協力してもらえたら、今問題になっている子どもの貧困、今二人に一人が借りている奨学金問題は回避できるかもしれません。奨学金は借入ですから、社会に出ると同時に何百万も背負うものです。
このようなことから、親同士の確執が、そのまま子どもの人生に不利益を及ぼしてしまう恐れがあることを、一度、ゆっくり、じっくりと考えてみませんか。
親は離婚すれば他人ですが、親同士の別れはあっても、親子の別れではありません。
法的には、親子間は扶養義務があり、相続の問題もあります。永久に親子の縁は切れません。
協同養育なんて、とんでもない!とお考えの方もあろうかと思いますが、例えば、離婚はお互いに同意しているけれども親権が決まらないという場合、一度、協同養育という視点で考えてみませんか?
離婚したら、子どもに会えなくなってしまうから、離婚をしたくても出来ないと、思っている方もいらっしゃると思います。
もし、協同養育という形が可能であれば、離婚しても子どもに会える形が作れます。
例えば、今日はママ、明日はパパ、というように子が母と父の家を自由に行き来できるような関係です。
あるいは、ずっとではなく当分の間に限定した形でその間きちんとルールを設けてやってみようと思われる方、離婚をして何年か経ち相手とのいさかいが沈静化したので将来に向けてやってみようと思われる方、協同養育について気になる方、協同養育の内容や決め方はさまざまです。
離婚時に、長期間にわたる夫婦の争い、いさかいで、感情的に対立が激しくなればなるほど、離婚時に子どもの視点に立って考える余裕がありません。
したがって、面会交流の約束をしたけれども、約束がなされない
養育費の取り決めをしたけれども、支払われない
などという事になりかねません。
しかし、子どもからすればそんなことは関係ない、という事になると思います。
ですので、離婚までの夫婦間の争いが激化するまえに、最初の段階で、第三者をいれた話し合いや、カウンセリングが期待されています。
当事務所では、そういったご夫婦の話し合いに立ち会い、ボタンの掛け違いを見つけるお手伝いをしています。(30分5000円)
また、協同養育という形を望まれる方には、協同養育計画書(協議書)のプランを作成します。どうぞお気軽にお問合せ下さい。
一般的には、「共同養育」という表現ですが、当事務所では「協同養育」という表現をしたいと考えています。その理由は、「協同」とは共に心と力を合わせて物事を行う意味があるからです。
フレンドリーペアレントルールも協同養育も、対等に、平等に、子のために両親が力をわせるという考え方です。
協同養育計画書(協議書)の作成費用については、38,000円から賜っています。内容によっては少し追加(5,000円から)をお願いする場合もありますが、ご依頼主様とご相談させていただきながら、料金は設定させていただきます。
お支払も分割で大丈夫です。ご負担のない形で考えていますので、その点についてもお問合せいただければと思います。
どんなことでもお気軽にお問合せ下さい。